令和3年度 中小企業診断士 2次試験 口述試験
ご覧いただきありがとうございます。
今回は私が経験した令和3年度の口述試験(広島会場)での当日の流れと、実際に問われたこととその回答をまとめます。
2次試験を通過するほど勉強された方は口述試験の1週間前から対策しても十分間に合いますので、受験生の方は「そーなんだ」くらいの軽い気持ちで見ていただけたらと思います。
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(1)口述試験とは
中小企業診断士の試験はご存じのとおり、マーク式(1次試験)と記述式(2次試験)があります。
筆記試験の合格発表の3週間後くらいに「口述試験」というものがあります。
筆記と口述までが2次試験です。
つまり、筆記試験に合格しても口述試験に落ちれば2次試験の合格にはなりません。
ただし、口述試験の合格率は例年99%程度。
令和3年度は1605人が受験し、1600人が合格しています(合格率約99.7%)
そのため、落とすための試験ではないと言われています。
1人あたり10分程度の持ち時間で、面接のような形式で行われます。
中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに個人ごとに面接の方法により行います。なお、試験時間は、1人当たり約10分間で、筆記試験と同じ 7地区で実施します。
なお、2次試験の合格基準は、以下のとおりとされています。
筆記試験における総点数の 60% 以上でかつ 1科目でも 40% 未満のものがない者であって、口述試験における評定が 60% 以上のものです。
※中小企業診断士協会HP「合格基準」より
なにが得点の基準となっているか明らかになっていませんが、後に診断士協会の方から聞いた話では「服装は評定項目」とはっきりおっしゃってました。
都市伝説と思ってましたが「ジャージで受験した人が不合格だった」というのは本当なのでしょう。きっと。
口述試験では、筆記試験に出てきた4つの事例に関する助言や中小企業診断士としての意見を求められます。
通常は2つの事例から各2問ずつ出題されます。
時間が余れば追加質問があります。
私の場合は事例Ⅳから2問、事例Ⅲから3問出題されました。
(2)試験当日の流れ
2次試験に合格すると口述試験の受験票が送られてきます。
受験票には予定時間が記載されており、試験開始予定の30分前までに受付を済ませる必要があります。
※ちなみに、「済」とあるのは体温を計って異常がないという印です。
口述試験当日の流れは以下のとおりです。
①受付(試験の30分前には済ませる)
※私は1時間以上前に到着、受付完了していました。
令和3年度の広島県試験会場のレイアウトは、はっきりとは覚えてないのですがこんな感じだったと思います。
当日配付された資料です。
②控え室で待機
受付を済ませると控室に案内されます。
受験票に1班または2班と記載されており、指定の控室へ案内されます。
③試験5分くらい前に試験会場の前へ案内される
受験票に記載の試験時間が近づいてきたら、試験会場の前へ案内されます。
ほぼ予定通りの時間でした。
コロナ対策のため、「これから試験です」みたいな用紙で案内されました。
また、換気や席離後のアルコール消毒を徹底されていたので、安心感がありました。
試験会場の前で待機します。
④面接
時間になったら試験会場へ通されます。
私は2回ノックし入室しました。
入室すると荷物を所定の場所へ置くよう指示があります。
いよいよ面接スタートです。面接は2人でした。
試験官:これから口述試験を始めます。2次試験で出題された4つの事例のうち2つからそれぞれ2問ずつ出題しますので、中小企業診断士としてお答えください。持ち時間は10分ですので簡潔にお答えください。
※的なことが告げられます
試験官:それでは始めます。第1問、事例●からの出題です。・・・について教えてください(または助言してください)。
余談ですが、試験官の声がめっちゃいい声だったので、それが気になって仕方ありませんでした…
(3)口述試験で問われたことと回答
前置きが長くなりましたが、ここからが本題になります。
実際に私が問われた内容と、それに対して回答したことを以下に述べます。
上述のとおり、私は事例Ⅳから2問、事例Ⅲから3問出題されました。
事例Ⅳより
【回答】
・魚種Xが地元産であるということを前提として、A社の強みである地元の商品ラインアップ、地元密着のセールスを活かして販売拡大する。
・魚種Xのおすすめの調理方法やレシピを提供し、顧客に提案する。
・学校をリノベーションして養殖した魚の販売、という珍しさをSNS等で訴求する。
備考
以下のことを考えました。
▶販売拡大の王道は「強みを活かす」
▶なじみが薄い→魚種Xについて知ってもらおう
▶なじみが薄い→珍しい、そこをPRしよう
【回答】
・移動販売は不採算部門となっており、このまま継続していくと売上拡大に貢献せず、収益低下を招く恐れがある。
・自社の配送便を他の事業に活用することができると思われ、シナジーを発揮できるため、移動販売継続による影響は必ずしも収益低下のみではないと考える。
備考
「波及効果」の捉え方について迷い、一点目を述べた後10~20秒くらい迷いの時間がありました。他の事業にとってのメリット・デメリットのような捉え方でよいのか、収支的な影響なのか…など。
結果的には、収益悪化については1点目で触れているので、2点目でシナジー効果が得られるということを述べました。
試験官から出されることもあるとウワサの「助け舟」はありませんでした。
事例Ⅲより
【回答】
・生産を受託することで、収益の安定化を図ることができる。
・安定的に受託できると、工場の稼働率が向上する。
・C社のように経営資源の乏しい企業にとって、営業に人員を割かなくても受注することができる。
【回答】
・作業が単純であるため、職人を育成する手間が省略できる。
・細分化された作業に対し、責任をもって取り組むことができる。
・作業を細分化し、組み合わせることで組織的に生産することが可能。
備考
事例Ⅲでは、従業員を「多能工化」することはあっても「単能工化」することはないため、メリットについて問われたときに一瞬焦りました。
感覚的にですが「単能工のデメリットの反対」「多能工のデメリット→単能工のメリット」となるはずだ、という観点から回答するよう方針にしました。
2点目、3点目はわけわからないこと答えてますが。
【回答】
・外部の講師を招き、技術指導してもらうことで職人の技術向上を図る。
・研修旅行を企画し、新しいものに目を触れることでモチベーションアップにつなげてもらう。
・他社のブランドとコラボして商品を開発することで、新しいものを生み出すマインドを育成する。
備考
完全に想定していた問題でした。
どう答えるか、までは覚えていませんでしたが、思いついたことから述べていきました。
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おまけ
私は2次試験に失敗したと思っていたので、口述試験の対策は全くしていませんでした。
合格後も、うかれて対策をせず。。。
試験日の1週間前から全事例を毎日読んで、こういうことを聞かれたらこう答えようみたいなことを妄想していました。
全く想定できないような問で多少は戸惑いましたが、2次試験を通過するくらいの学習ができていれば、十分合格に達することができると思われます。
まさか「魚種X」について問われるとは思いませんしね。
最後までご覧いただきありがとうございました。