麦 | 中小企業診断士(口述合格)@高知

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令和3年度 中小企業診断士 2次試験 答案振り返り(事例Ⅰ~Ⅲ)

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ご覧いただきありがとうございます。

 

令和3年度の中小企業診断士2次試験を受験し、遅ればせながらココ高知にも得点開示が到着しました。

 

今回は2次試験の得点や当日の感触等(事例Ⅰ~Ⅲ)についてまとめてみました。

令和3年度の試験問題を解いていない人は意味が分からないと思います。

解くか一読してご覧になるのをおすすめします。

 

 

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(1)得点と感触

まずは、開示請求で判明した得点と、試験当日の感触についてまとめます。

 

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開示請求の結果

 

 
得点
試験当日の感触
事例Ⅰ
62点
60点は下回っていないでしょう
事例Ⅱ
64点
しくじったかもしれない!
事例Ⅲ
66点
まあまあできた
事例Ⅳ
67点
しくじった!

 

要するに、受験後の感想としては、

「事例ⅡとⅣでしくじったから事例ⅠとⅢでなんとか合格に到達してくれ!」でした。

 

それが蓋を開けてみたら、想定外だらけの得点でした。

「まじか事例Ⅱ!事例Ⅳ!!」「事例Ⅰわい!」

 

(2)各事例の「考えたこと」と再現答案

事例Ⅰ

第1問
2代目経営者は、なぜ印刷工場を持たないファブレス化を行ったと考えられるか、100字以内で述べよ。

【考えたこと】

▶「2代目経営者」の行ったこと、であることに注意

ファブレス化し「得意分野に経営資源を集中させるため」だろう

▶限られた経営資源を活かし、新しい市場に参入することができたはず

 

【再現答案】

理由は、協力企業と連携することで①多工程にわたり高品質な印刷が可能となり美術印刷分野に経営資源を集中させるため②高精度な仕上がりが求められるアルバム等の事業に参入、販路拡大し売上を拡大するため。

 

備考

競争回避の視点がほしかった

 

第2問
2代目経営者は、なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門を任せたと考えられるか。

【考えたこと】

▶3代目の能力や人脈に関することは間違いなく加点要素

▶現経営者である3代目への事業継承についても触れておこう

▶新規事業であれば新しい風を取り入れたかったのでは(プラスチック、ブロー成形の事例でたしかそんな感じの問題があった)

 

【再現答案】

理由は①前職のノウハウを活かし紙媒体に依存しない分野に参入するため、②3代目の人脈を活かし人材を採用しデザイン部門を強化するため、③段階的に権限委譲し、経営を円滑に継承するため。

 

第3問
A社は現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させていった。これは、同社にどのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか、100字以内で述べよ。

【考えたこと】

▶広告制作業はレッドオーシャンだが売上拡大できたことは間違いない

経営資源の分散は欠点として挙げよう

ドメイン変更を拡大せざるを得ない状況だったのでは(競争の激化や主要取引先からの値下げ圧力など)。

 

【再現答案】

利点は、コンサルティング工程の顧客との接点を活かし既存顧客の受注を拡大できたこと。欠点は、版下印刷・印刷工程の技術を伝承できず、新事業に経営資源が分散し、営業力を強化できなかったこと。

 

備考

印刷工程の技術伝承ができていないことは問題にはならず、今考えても意味不明

 

第4問
2代目経営者は、プロジェクトごとに社内と外部の協力企業とが連携する形で事業を展開してきたが、3代目は、2代目が構築してきた外部企業との関係をいかに発展させていくことが求められるか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

【考えたこと】

▶2代目が構築してきた外部企業との関係、、よく分からん。

▶関係を発展、、、さらによく分からん。方向性としては協力関係を強化していくことなんでしょう!たぶん。

 

【再現答案】

外部企業と連携し、共同プロジェクトを立ち上げ、付加価値の高い製品開発に活かす。外部企業への教育・研修を行い、品質を向上させる。外部企業との交流に裁量を与え、目的共有を明確化し関係を発展させる。

 

第5問
新規事業であるデザイン部門を担う3代目が、印刷業を含めた全社の経営を引き継ぎ、これから事業を存続させていく上での長期的な課題とその解決策について100字以内で述べよ。

【考えたこと】

▶「長期的な課題」とわざわざ書いてあるので、モラール向上や成果報酬導入などの提案は避けよう。

▶1年や2年で解決できないようなことは何か。

 →営業部署の設置・強化、長期的には内製化も選択肢として持っておくべきでは…

 

【再現答案】

課題は、内外製区分の見極めと営業力の強化である。解決策は①外部企業との共同プロジェクトを通じ自社にノウハウを蓄積し、内製化を進める、②営業人材を採用し、教育により育成し営業力を高め売上を向上させる。

 

備考

たしかに強みである外部企業との関係を見直すことは、長期的には必要なことかもしれないが、経営資源が限られている中小企業にとって優先順位は低く、ベストの解答とは言えないかもしれません。

 

事例Ⅱ

第1問
2021年(令和3年)8月末時点のB社の状況を、移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げを目的としてSWOT分析によって整理せよ。①~④の解答欄に、それぞれ30字以内で述べること。

【考えたこと】

SWOTはとにかく加点要素の列挙を意識しよう。

▶30字、短っ!!

▶列挙するから回答欄の短さは問題にならないだろう

※いつものSWOT分析だと疑わず、設問の「移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げを目的として」という制約を見逃していました。

 

【再現答案】

①S
フランチャイズの販売網、地元産大豆の豆腐、清流の地下水を採取可

 

②W
主婦層の顧客が少ないこと、若年層の訴求力が弱い点

 

③O
リモートワーク浸透で食事にこだわる家庭増、ECサイトの取寄せ需要

 

④T
新型コロナウイルス感染症のまん延、大手メーカーとの競合

 

足りなかった目線

①TACの解説では「フランチャイズの強み」について、強みであるなら売上減少に歯止めがかかっているはず、と一蹴されていました。

ネット販売の立ち上げ、という観点からは「Y社との関係を強みとする」方が妥当といえます。

 

第2問
B社社長は社会全体のオンライン化の流れを踏まえ、ネット販売を通じ、地元産大豆の魅力を全国に伝えたいと考えている。そのためには、どの商品を、どのように販売すべきか。ターゲットを明確にした上で、中小企業診断士の立場から100字以内で助言せよ。

【考えたこと】

▶「機会」に「強み」を投入する定番のパターンだ!

▶ターゲットを「明確に」とあるから具体的に書こう

▶「手作り豆腐セット」「豆腐丼」「季節の変わり豆腐」どの商品を販売すべきか…

 

【再現答案】

自宅での食事にこだわりを持つ主婦層をターゲットとし、地元産大豆を使った手作り豆腐セット、季節の変わり豆腐を販売し、豆腐の魅力を伝えるとともに継続的受注をねらいリピート化を図る。

 

備考

・全国に魅力を発信していくための方策を述べていない

 例)Y社サイトを通じて販売

   SNSを活用してPR 等

・ターゲットを「主婦層」とする意図は?

 →答えやすい問題だったはずですが、完全に迷走しました。

 

第3問
B社のフランチャイズ方式の移動販売において、置き配を導入する場合に、それを利用する高齢顧客に対して、どのような取り組みを実施すべきか。中小企業診断士の立場から(a)フランチャイザー、(b)フランチャイジーに対して、それぞれ50字以内で助言せよ。

【考えたこと】

フランチャイザーフランチャイジーをサポートする方向で書こう

フランチャイジーは置き配を使って売上を拡大させよう

▶「高齢者に対して」という制約からアナログな方法を使うべきだろう

 

【再現答案】

(a)
顧客リストを基にDMを送り、FAXでの受注を喚起する、置き配の認知度向上、口コミを誘発する。


(b)
接触を回避するため試食セットを開発・配付しチラシを同梱する、IMで家族から発注してもらうようすすめる。

 

備考

当日は最後の最後までどうしようか悩んだ問題でした。

よってよく分からない答案になってしまいました。

フランチャイザーはサポートする立場なので、①置き配の研修を行う、②問い合わせ窓口を設置するなどが妥当な助言ではないでしょうか。

また、フランチャイジー側で顧客リストに基づく電話営業をかける、とかよかったかもしれません。

 

第4問
B社ではX市周辺の主婦層の顧客獲得をめざし、豆腐やおからを材料とする菓子類の販売、移動販売を検討している。製品戦略コミュニケーション戦略について、中小企業診断士の立場から100字以内で助言せよ。

【考えたこと】

▶戦略を問われたら「誰に」「何を」「どのように」

 →差別化した商品を食にこだわりを持つ主婦に…という方向性でいく

コミュニケーション戦略を問われたら「双方向性」は必須

SNSによる拡散も狙おう

▶満を持して「人気を博す和菓子店の店主」を登場させよう

 

【再現答案】

食にこだわる主婦層に対し①地元産大豆を使用し差別化を図った商品を和菓子店の店主と開発し、SNSへ掲載、魅力を訴求する、②移動販売を通じチラシを配付し地元産大豆の魅力を伝え、関係性を強化し売上拡大を図る。

事例Ⅲ

第1問
革製バッグ業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。

【考えたこと】

▶強み、弱みを問う問題は加点要素の列挙を意識しよう

▶事例Ⅲにありがちなキーワード(例:一貫生産)には即反応

 

【再現答案】

(a)
一貫生産により受注量が多い点、自社ブランドのオンライン販売と販売情報の活用。

 

(b)
OEM生産の収益性が低い点、新製品の企画開発力が弱い点、熟練職人の高齢化。

 

第2問
バッグメーカーからの受託生産品の製造工程について、効率化を進める上で必要な(a)課題2つを20字以内で挙げ、それぞれの(b)対応策を80字以内で助言せよ。

【考えたこと】

▶方向性は「作業者の技術」「生産計画」を何とかする!

▶技術伝承がうまくなされていないことは改善できる

▶生産計画の精度が低いことも改善できる

 

【再現答案】

課題①
作業者の技術レベル格差の是正と若手の育成


対応策①
縫製工程を標準化・文書化し教育により技術の平準化を図る、全行程を通しOJTにより若手に技術伝承。小集団活動奨励で技術向上。

 

課題②
生産管理能力向上による生産計画の精度向上


対応策②
全工程をふまえた週次ベースの生産計画を立案し、需要に応じロットを適正化する。ABC分析で発注方法を見直し資材の欠品を防止。

 

第3問
C社社長は、自社ブランド製品の開発強化を検討している。この計画を実現するための製品企画面と生産面の課題を120字以内で述べよ。

【考えたこと】

▶製品企画面は「新製品の企画・開発経験が少ない」とバッチリ書かれてある

▶営業部門がないため、営業については何かしら触れよう

▶生産面は全体縫製ができる人を増やす方向

 

【再現答案】

製品企画面の課題は①営業力強化による顧客ニーズの収集、新規顧客の開拓、②ニーズをふまえた製品開発力の強化、ブランド価値向上。生産面は、全体縫製の技術伝承および生産能力向上、若手職人の多能工化。

 

第4問
C社社長は、直営店事業を展開する上で、自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出すか、それとも若手職人も含めた分業化と標準化を進めて自社ブランド製品のアイテム数を増やすか、悩んでいる。  C社の経営資源を有効に活用し、最大の効果を得るためには、どちらを選び、どのように対応するべきか、中小企業診断士として140字以内で助言せよ。

【考えたこと】

▶中小企業にとって経営資源の有効活用は「選択と集中」がベストアンサー!

 →みじんも迷いませんでした。

▶そのために必要な技術の強化、差別化に資する取組で付加価値を向上

顧客満足度・愛顧を向上させブランド力を高めよう

 

【再現答案】

自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出し差別化するよう助言する。対応策は①社員教育により加工技術を強化し、高級感訴求による加工技術で差別化を図る、②生産統制を実施し、リードタイムを短縮、顧客満足度を向上させる。以上により受注を拡大し売上を向上させる。

 

事例Ⅳ

またの機会に!

 

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余談

令和4年2月2日に口述試験の合格発表がありましたので、それ以降に到着した開示請求を順番に処理していったようです。

 第一陣 2月14日発送

 第二陣 2月25日発送

 第三陣 2月28日発送

 ・・・・

こちら高知県には3月2日の昼頃に届きました。

基本的に月曜発送→早いところでは翌日着でしたが、高知県へは水曜着となりました。

合格発表日に発送したにもかかわらず、第三陣となりました。

これは地方蔑視だ!と完全に被害妄想を繰り広げていましたが、単純にこちらからの発送、協会への到着が遅れたため第三陣へもつれこんだようです。

地方から請求する場合、到着の遅れを見越して発送もいいかもしれません。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。